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社長からの一言
8. ソフトウェアPLC
最近になって少しソフトウェアPLCという言葉を聴くようになった。
日本は携帯電話やマイコンのように日本独自の文化や技術が発展している国で、PLCはラダー言語に特化した日本固有の制御装置として発展してきた。
その代表的なPLCベンダーが三菱電機であり代表的なPLCがQシリーズというPLCである。
三菱電機以外では横河電機のFA-M3やオムロンのNJシリーズがある。
これ以外のも日本の代表的な総合電機メーカーには独自のPLCを品揃えしていて、それらはハードウェア的にもソフトウェア的にも独自仕様になっていて、これらをソフトウェアPLCと区別してハードウェアPLCと称することがある。

ハードウェアPLCといってもその中身の技術的には、一部専用ASICを使っている機種もあるが、汎用のマイコンで構成されていてPLC機能はマイコンのソフトウェアで記述している。
そういう意味ではハードウェアPLCもソフトウェアPLCと同じなのだが、どういうわけか区別されて呼ばれている。ソフトウェアPLCはパソコン互換のハードウェアで、Windowsと一緒に動作するPLCを指していることが多い。
狭い意味でのソフトウェアPLCである。うわさによるとオムロン製PLCの新機種NJシリーズはCPUにIntel Atomが使われていてハードウェアはPC互換だということだが、Windowsが動作しないので、ソフトウェアPLCとは呼ばれていない。

Windows PCで動作する狭い意味のソフトウェアPLCの代表例は、少し昔の製品ではあるが、ブルドーザーメーカーのコマツが販売していたフランス製のISaGRAFが有名であった。
一時は日本国内の産業用システムベンダーにOEMされていたが、いまはコマツが撤退して国内の別の会社が販売している。
余談ではあるが、ISaGRAFのウェブを見ていたらこのソフトウェアPLCはわが社が販売しているINtime用のバージョンもあるようだ。
SCADA製品の中にもサブシステムとしてオプションでPLC言語を利用できるものもあるらしい。
SCADAの多くはWindowsPCで動作するからそのPLCサブシステムはソフトウェアPLCと呼べるのかもしれない。

FA/PA技術の世界標準の中心はいまはドイツである。ハノーバーやニュルンベルクの産業用オートメーションに関係する展示会に行くと日本では聞いたことのない会社が大きなブースで派手な展示をしていて驚くことが多い。
そのような会社にTwinCATというソフトウェアPLCを販売しているBeckhoffというドイツの会社がある。この会社は最近話題のフィールドバスEtherCATを開発した会社としても有名である。
この会社はPLCソフトウェアのTwinCAT以外に産業用PCやEtherCAT関連機器も販売していて、ドイツではシーメンスに次ぐこの分野のグローバル企業である。この会社は中国に4箇所も支店をもっていて、日本にもつい最近横浜に支店を出した。
ハードウェアPLCがあふれている日本への進出はかなり遅れたが、満を持しての日本進出ということになる。この会社のTwinCATはWindowsがインストールされたPCハードウェアで動作し、ハードウェアPLCよりも優れたリアルタイム性能を実現している。
このTwinCATが日本市場で成功するかどうかはいろいろ難しい面もあるが、日本が今後日本固有のガラパゴス技術から国際標準に大きく舵をきれば日本でも成功するだろう。
TwinCATとBeckhoffの行くすえはわが社にとても大きな関心事だ。もちろんわが社が目指すグローバル標準のBeckhoffには成功してもらいたい。

このBeckhoff社のTwinCATに使われているPLCソフトウェアはドイツの3S社のCodeSysというソフトウェアをOEM採用している。
3S社以外にドイツにはPHOENIX CONTACT Software GmbHというPLCソフトウェアのOEMベンダーがあって、世界のPLCはこの2社のソフトウェアのいずれかを使っているといえる。
日本の大手電機メーカーのPLCもこのPHOENIX CONTACT Software GmbHのMULTIPROGというソフトウェア製品を移植したものだと聞いている。
ちなみにわが社のソフトウェアPLC『INplc』もこのPHOENIX CONTACT Software GmbHの製品をライセンス購入したものである。

3S社のCodeSysにしろ、PHOENIX CONTACT Software GmbHのMULTIPROGにしろ、国際標準のPLCは、日本のPLCがラダー言語を主要言語としているのと違い、国際標準のIEC-61131-3で規定された5つの言語が使えるようになっている。ラダー言語はこの5つの言語のうちの1つである。

わが社のINplcはWindowsPCに、わが社で取り扱っているリアルタイムOS『INtime』をインストールしてそのリアルタイム環境の上でPLCアプリケーションが動作している。日本のユーザーがなれているラダー言語ももちろん使える。
INtimeは0.1msの時間周期で制御アプリケーションプログラムを動作させることができる性能を有しているが、INtime上でINplcは余裕をもって1.0msごとに繰り返し動作するように今のところなっている。この1.0msという性能は国内の高性能ハードウェアPLCの仕様にあわせている。
INplcではPLCソフトウェア以外に、Windowsのプログラムや0.1ms周期のC言語プログラムもいっしょに動作させることができる。
(2012/10/23)
  • 補足
    INtime・・・産業用リアルタイムシステムをC言語で開発できる基本ソフトウェア
    INplc・・・PLC言語(国際標準規格IEC 61131-3)で開発できるパッケージソフトウェア
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