netRMXとiRFW3.0の互換性

 

iRFW3.0はnetRMXの上位互換製品です

iRFW3.0(iRMX® For Windows3.0)は、netRMXの上位互換製品として位置付けされています。いくつかの新機能、いくつかの廃止された機能が存在します。ここでは、既存のnetRMXシステムをiRFW3.0へ移行する場合の諸注意について記載を行っています。

 

iRFW3.0で追加となった機能

WindowsNT4.0/2000/XPと並行動作

MS-DOSに変わり、WindowsNT4.0/2000/XPが並行動作します。Windows全体がプライオリティ254内で動作を行う点は同一です。Windowsと並行動作することによって、強力なGUIと、使いやすいオペレーションが実現できます。

NTFSファイルドライバ

NTFS互換のファイルフォーマットが扱えるようになりました。

Microsoft Visual Studioによる開発

フラットモデルで動作するRing3アプリケーションの開発が可能となりました。新規アプリケーション開発に適しています。セグメントモデルアプリケーションをVisual Studio用に移植する場合にはbuildptr( )が利用できなくなるためロジック修正が生じます。

ASM386アセンブラ付属
PL/M386コンパイラ付属
SoftScopeIIIデバッガ付属

オプション製品であったこれらのコンパイラ、アセンブラ、デバッガが付属となりました。ic386コンパイラは引き続き同梱されています。

割り込み共有化

PCIデバイス同士のIRQライン共有が有効となり、共有化割り込み処理用APIが実装されました。

より細かいカーネルティック設定

200マイクロ秒、250マイクロ秒、500マイクロ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、5ミリ秒、10ミリ秒から自由に選択できるようになりました。これによってより細かな時間精度での処理の実現が可能となります。

ソースコード編集

普段お使いのWindows用テキストエディタを用いてソースコードの変更が可能になります。

 

移植上の注意点

ネットワークについて

iRFW3.0では標準でTCP/IPドライバとソケットライブラリが実装されています。netRMX用のmnTCP/IP製品のソケットライブラリ関数と一部互換性の無いものがあります。iRFW3.0付属のネットワークドライバは、8255xネットワークチップ搭載のPCI型NICカード、RealTek8139ネットワークチップ搭載のPCI型NICカード、NE2000互換ISA型NICカードをはじめとしたNICカードに対応しております。

PCIライブラリAPIをご利用のお客様

iRFW3.0ではシステムAPIとしてPCI操作系システムコールが実装されました。netRMXで提供されていたPCIライブラリ(mnpci.h, mnpci.lib)とユーティリティコマンド(getpci, setpci)は提供されません。移行にあたってPCI操作系システムコールへの変更が必要です。

画面表示にMS-DOS/Windows3.1をご利用のお客様

RTEシステムコール(RealtimeExtention)は引き続いて利用が可能です。Windows3.1のVB2.0プログラミングのために用意されていたRTEシステムコール提供(RMX4WIN.DLL)はなくなりましたので、DLLを自作するなどの方法が必要となります。

画面表示にHIコンソールをご利用のお客様

一部のエスケープシーケンスが異なるために画面が崩れる可能性があります。WindowsGUIアプリケーションへの移行をお奨めします。

弊社ドライバ製品(RS-00Xシリーズ)をご利用のお客様

各種ドライバ製品(RS-00xシリーズ)はic386コンパイラを引き続きお使いになる場合に引き続いてご利用が可能です。弊社では順次ドライバのiRFW対応化を行っています。Visual Studioコンパイラへのアプリケーション移植を行う場合にはRSI-00xドライバ製品へ移行してください。

システムコールrqe_create_descriptorをご利用のお客様

絶対番地を指定した物理メモリアクセスを行っている場合(rqe_create_descriptorシステムコールを利用されている場合)に、一部にコード変更が必要となります。詳しくは技術情報ページをご覧ください。

物理デバイス名の相違

デバイスドライバによって与えられるデバイス物理名称の一部に違いのある可能性があります。attachdeviceコマンドもしくはrq_attach_device部の確認をお奨めします。

ディレクトリ絶対パスの相違

iRFW3.0システムにおいてはインストール時の指定により、netRMXで使用していたディレクトリ絶対パスと異なる位置にファイル群が設置される可能性があります。ディレクトリ絶対パスをご利用の場合にはご注意ください。論理パス(:sample:のようなパス指定)をお使いの場合にはattachfileコマンド、rq_attach_fileシステムコール部の確認をお奨めします。

netRTEシステムコールをご利用のお客様

netRTE(ネットワーク越しのWindows機から利用できるシステムコール要求)は廃止されました。類似する機能NTX-APIを使用することによって同様の処理を達成することができます。システムコール名称や、システムコールの扱い方は異なります。

netRMX統合開発環境をご利用のお客様

netRMX統合開発環境(ネットワーク越しのWindows機から共同コード編集、ビルド、実行を行う機能)は廃止されました。Windowsによるフォルダ共有などの機能を用いて、コードの共同編集は引き続いて可能です。

※TenAsys®, INtime®, eVM® and iRMX® are registered trademarks in USA of the TenAsys Corporation.

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